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センリョウ栽培の歴史
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センリョウ栽培の歴史

写真
市政だより(1998.12)表紙に掲載

センリョウ栽培の歴史
 明治時代の生活、風習、行事、風俗を九年間にわたり日記を残した英国人がいる。
名をゴードン・スミスという。

好奇心の赴くままに各地を探索し、自らも写真の撮影をし、日本人絵師の絵入りの克明な日記を残した。
のちに、大英博物館で保存され、今日では明治時代の様子を伝える貴重な資料となっている。

生け花についての記録では、
日本人の美意識について絶賛し、英国人にはまねのできない繊細な生け方であり、
構図の中で様々な形を釣り合わせていると表現している。
生け花は日本を代表する伝統芸術であるといえる。
中でも、お正月の花は初めの月の花であり、めでたいことで、日本人の生活のけじめでもある。
お正月の花は、縁起を担いだものが多く扱われている。松は千歳に栄える。
竹は節から規則正しい。梅は気品を尊ぶ。南天は難を転じる。千両は景気の良い花などのように。
この時期、花屋さんには景気を呼び込もうと買う人も多い。

1.センリョウ栽培の始まり
ブドウから収入が得られる期間は、夏から秋と限られていた。
当時、農耕牛を各戸で飼育していた。
そして、「土壌改良用堆肥の確保に牛糞が必要であるならば、ただの農耕牛をではなく、副収入になる繁殖牛の飼育に転換した方がいい」との「鳥取県の福井氏の助言」により、繁殖牛の飼育しながら、山林や桑畑の開墾と土づくりに取り組んだ。
当時は1戸当たり1〜2頭飼育し、終戦後の品評会で入選を繰り返すほどになった。
また、同時に開墾地や水田でのイチゴ栽培、グラジオラス栽培、白首大根の採種、麦栽培などの副業開発に取り組み、試行錯誤の末、昭和27年頃から松林での林床栽培に適するセンリョウ栽培に取り組むことになった。
これは、仲間の一人が「センリョウが林床栽培に適している」という情報と「近くでは、名古屋市天白区の寺でセンリョウが栽培されている」という情報を得たことに始まった。
即座に、千両の実が着色する10月下旬頃に原動機付き自転車を駆ってその寺を視察した。
そして、名古屋市中区松原町の花き市場の年末センリョウ市を見学し、セリ場で落下した種子を3合ほどもらい受けた。自家の育苗ほ場で播種し、昭和30年から、3〜4年生に育った苗を少しずつ、順次開墾した林床に植え付けた。
そして、センリョウに取り組み始めてからは、ブドウとセンリョウに経営品目を絞り込んだ。
このため、冬季は、人夫1人を雇い、規模拡大のための開墾(1ha)と土づくり、春から秋はブドウとセンリョウ栽培管理に追われた。
父の定年後は、父がセンリョウ担当主任、自らはブドウ担当主任として、栽培に取り組んだ。
昭和36〜37年には、市場出荷を開始し、生産者数も15名に増えた。
最盛期の出荷量は、2,000〜3,000箱(一箱当たり平均150本入り)あり、名古屋市場ばかりでなく、大阪や神奈川の市場にも出荷した。
当時は、センリョウの収入がブドウの収入を上回ることもあった。昭和46年〜49年には、さらに開墾し、経営面積(計画)を2haに増やした。

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赤実千両                        黄金(黄実)千両

2.センリョウ栽培の変化と現状
昭和46年〜49年には、ほ場2ha中、50aをセンリョウ栽培にする計画を立てたが、昭和50年代末〜60年代に、松枯れにより、センリョウ栽培に適した環境が失われた。
松枯れ対策として、林地での寒冷紗栽培に取り組むが、以前の状況は取り戻せなかった。
そして、松は杉や檜に順次入れ替わっていった。松より樹冠を覆いやすい杉や檜は、林床への透過光を遮り安いため、センリョウの生育や品質の低下を誘発した。
その影響で、センリョウ生産者は15名から10名に減少し、出荷量も800〜900箱に減少した。
ブドウ畑周囲の山林や木っ端で遮光した畑で主にセンリョウ栽培に取り組んでいる。
面積は約1ha(内棚栽培25a)あり、年間約150箱出荷している。
センリョウの栽培管理としては、11月下旬から12月上旬の収穫後、株の状態を見ながら、お礼肥を施す。
そして、支柱を立てながら、3〜4月に剪定を行い、古いシュートを整理し、新しいシュート(タケノコ)を株当たり3〜5本に整理して、高品質化を図っている。
また、センリョウの生育を阻害する自生のジネンジョについては、7月頃、新しい芋が育ち始めた頃抜き取るようにしている。
シュート発生や実付きには、夏に葉焼けが発生しない程度の十分な採光を確保する必要がある。そのため、3〜5月には、新梢発生や花芽分化を促進するために木っ端の管理に注意している。
排水不良なところは、株の生育やシュートの発生が悪くなるため、明渠を毎年改修している。
栽培土の更新を図るため、隔年で客土を行い、施肥時には、肥料効果を高めるために、土寄せを行っている。
また、実腐れ病が発生しやすい梅雨時には、殺菌剤による予防を実施している。天葉を食害するホタルガ類が、4〜6月に発生するため、防除を実施している。

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千両畑                                     出荷風景

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テレビの取材風景(生中継)                        千両を使った生け花(2)

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